




昔も今も非常に多いと思います。
腰痛の原因が骨粗しょう症による椎体骨折である場合、体を動かしたときに腰痛があり、初めて受診するという方は多いのですが、腰痛がそれほどないのに背骨の骨折が徐々に発生していて、初めて受診すると、もう複数の椎体骨折を起こしているケースもみられます。本当に軽い、思い当たることのないような動きで骨折していることもあります。咳やくしゃみをすると響くとか、腰の痛みがとれないとか、起き上がる際の腰痛がひどい、といった場合は骨折を疑った方がいいと思います。


若いときに比べて4㎝以上身長が低くなっていれば、骨粗しょう症による椎体骨折が始まっていると考えてよいと思います。身長を測れない場合、背比べの要領で壁に背中を付けて立ち、後頭部が壁に付くかどうかを確認してみてください。それをやってみても頭が壁に付かない、という場合は、病院で骨量測定をしてもらってください。今は、椎体や脚の付け根の骨(大腿骨)が1つでも骨折していれば骨粗しょう症と診断されます。また、骨折がなくても骨量が若い頃の70%以下の場合も、骨粗しょう症とみなされます。今回は問題がなかったとしても、その結果は1年後に再度測る際の目安になります。とにかく骨量を1回は測っておくことが大事だと思います。


椎体だけでなく、実は脚の付け根の骨(大腿骨)の骨折も見過ごされることがあります。骨粗しょう症は、「寝たきり」の原因になることが明らかになっており、寝たきりになると、骨折している部分だけでなく体全体の機能も落ちてきて、認知症なども進行しやすくなりますので、早期の治療をお勧めします。骨折は本人だけではなく、家族にとっても大きな負担になっているのです。
日本は平均寿命が長くても、その中に寝たきりの方の数も含まれています。問題は、平成24年の統計でもまだ日本では高齢化の勢いよりも骨折が増えるスピードのほうが早いということです。海外では逆で、骨折の割合が年々減ってきています。日本はそういう意味ではまだ遅れています。これは何としても食い止めないといけない事態ですので、私たちも啓発活動が必要だと思っています。


一度は骨量を測定することを、ぜひともお勧めしたいです。
骨粗しょう症という疾患に関心をお持ちの方は多いのですが、自己判断で健康食品などに頼っている方も多いと思います。確かに昔は、あまり治療の選択肢がありませんでしたが、現在ではカスタムメイド、つまり患者さんそれぞれに合わせた治療を行うことができる時代になっています。まずは骨粗しょう症に対する正しい理解を深め、適切な処置を早い段階で受け、骨折を予防していただきたいと思います。そのためには、病院に行き、自分に合う治療法を進めていくことが重要だと思います。

病 院 名 | ゆめみ野クリニック整形外科 |
郵便番号 | 〒302-0039 |
住 所 | 茨城県取手市ゆめみ野1丁目71街区3画地 |
電話番号 | 0297-78-7111 |
